これまで、第1回の一般的な製造業、第2回の自動車産業、第3回の小売業をそれぞれ営む会社がIFRSを適用する際に遭遇すると思われる疑問点を取り上げましたが、第4回目は製薬業独自のトピックについて、IFRSを適用するにあたり、Q&A方式にて傾向と対策を解説いたします。なお、文中意見にわたる部分については、筆者の私見であることをお断りします。
業界の特徴としては、製造・販売可能な薬剤とするための研究開発が長期にわたり多額の支出を伴うこと、研究開発や販売に関する他社との提携等により、契約一時金、マイルストーンのような金銭の授受が発生する商慣行があること等が挙げられます。また、固定資産の減損の兆候を判定するにあたっても、特許権や医療、医薬技術の進歩等に関連して、製薬業の特徴が現れます。今回、日本国内で製薬業を営む会社が、IFRSの適用にあたって共通する検討項目として、収益認識の会計分野から①いわゆる落差回収と呼ばれる商慣行上の取引、および契約一時金やマイルストーンによる金銭の授受やロイヤルティ取引、研究開発費の会計分野から②内部開発費の資産計上に関する検討点、固定資産の分野から③製薬業特有の減損の考え方について派生的な論点も含めて解説します。
あらた監査法人 製薬業担当 公認会計士 好田健祐、岡本司、森聡
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