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投資家とアナリストの参加により金融商品会計の「公正価値」論争が活発化

2010年06月14日

2010年6月14日 英国ロンドン - 世界を巻き込んだ金融危機により、金融商品会計には根の深い課題があることが明らかになり、2つの指導的な会計基準審議会(IASB、FASB)は協力してこの課題に対処し、簡潔さと整合性を追求するよう迫られています。
今回、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)が実施した詳細調査により、投資家とアナリストという重要利害関係者に意見表明の場を提供し、この重要な議論を厚みのあるものとしました。
国際会計基準審議会(IASB)と米国財務会計基準審議会(FASB)は、2008年暮れ、金融商品会計の全側面を再検討する共同プロジェクトを発足させました。しかしながらIASBとFASBはそれぞれ異なる方向へ向かって動いています。FASBはそのアプローチで、すべての金融商品は銀行貸出も預金も含めて公正価値による報告を提案し、IASBは金融商品の性質に応じて公正価値と償却原価を使い分ける現行金融商品会計基準モデル、しばしば「混合測定モデル」と呼ばれるモデルの適用を継続する方向を目指しています。
PwCは、金融商品の会計と報告に関する投資家とアナリストの見方をよりよく理解するために、広く分散した地域から調査対象者を抽出しました。62人の投資プロフェショナルに対する詳細な対面調査により、彼らの分析過程での金融商品情報の使用に関する見方が提供されました。調査の目的は、金融商品会計に関する確定的な結論や立場を固めることではなく、多種にわたる投資プロフェショナルが抱いている見解を取りまとめることにあります。調査回答者からは、話題となった事項全てに関して多様な意見が得られましたが、調査回答にはいくつかの一貫した傾向が見られました。

  • 大多数の回答者は、期間の短い金融商品には公正価値報告を、期間の長い商品(特 に銀行貸出と預金)で自社としても約定に基づくキャッシュフロー回収を目的として保有する意思を持っているものに対しては、償却原価報告の適用という混合測定モデルの適用を望んでいます。
  • 混合測定モデルを望む回答者は、このモデルにより金融商品保有企業の基本的ビジネスと、当該商品保有の経済的理由がより明確に反映されると考えています。彼らはまた、短期トレーディングではなく長期的キャッシュフロー獲得目的で保有する金融商品に関して、純利益が公正価値の変動の影響を受けないようにすることの重要性を強調しています。
  • ほとんどの回答者は、金融商品の公正価値情報は重要かつ役に立つと考えていますが、当該企業の分析上必ずしも重要な考慮対象ではないとしています。回答者は種々の方法で公正価値を利用しますが、通常それは対象企業の流動性、資本充足度、あるいは企業価値算定に用いられます。それが将来のキャッシュフロー創出の指標として用いられることはまれです。
  • 回答者が例外なく口にすることは、公正価値情報開示の改善に対する要望です。具体的な改善要望として挙げられたのは、ポートフォリオ構成とリスク要因、評価方法と前提、重要前提事項の変化に対する感応度の分析に関して詳細な、それでも過度に詳細でない情報です。
  • 発生損失に基づくのではなく、期待損失に基づく減損モデルは広く支持されています。この支持には期待損失モデル適用方法を定義して欲しいという願望が伴っています。この定義があいまいな場合、期待損失モデルは収益操作を容易とするため過度に恣意的な引当を発生させかねないという懸念を表明する回答もありました。

PwCのアシュアランス担当副会長・ドン・マクガバーンは、次のように述べています。
「会計に関する提案に多くの相違が見られるのは、財務諸表の利用者、作成者、その他関係者が持つ見解が広範にわたっていることを反映しています。このような意見表明を支えている強い熱意は、IASBとFASBに対するコメント・レターだけでなく、種々の印刷物あるいはテレビ、ブログ、論文を見れば一目瞭然です」
「今回の調査実施に際し、われわれは、多数で多種にわたる投資プロフェショナルを対象として、金融商品測定と報告をめぐるいくつかの重要な疑問に関し、その見解を質して、それを報告することを目的としました。われわれは、透明性追求が至上命題であり、この調査は進行中の議論に対する重要な貢献となるものと信じています。」

以上


Notes to Editor:
  1. PwCのこの調査は地理的にも、主要業種(銀行、保険、ゼネラリスト)、アナリスト分野(株式アナリスト、信用アナリスト)、企業の立場(バイサイド、セルサイド、信用格付)それぞれに関し広く全体に網を掛けて投資家とアナリストからの回答を得るべく設定されている。われわれのサンプルは統計上の優位性確保を意図するものではないので、そのように理解して欲しい。むしろそれは単に投資家とアナリスト社会の広い断面から多くの見解を得ようとする我々の努力を示すものである。面接は一対一で、通常1時間程度行われた。面接は、回答者が財務諸表情報をいかに利用し、その改善のためにどのような変化を希望するかということを知ることに焦点を当ててその目的にむけて意味のある対話が可能となるような状況設定を行った。
  2. 調査対象の分布:
     米国  51%  バイサイド 42%  保険     41% 株式   76%
     欧州  34%  セルサイド 42%  銀行     49% 固定金利 24%
     アジア・15%  信用格付  16%  ゼネラリスト 10%
     太平洋

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