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FASBとIASBが財務諸表の表示に関する提案のスタッフ案を公表し、アウトリーチ活動を促進する ※In Brief(PwC US)

2010年07月02日

最新の動向

2010年7月1日、米国財務会計基準審議会(以下、FASB)および国際会計基準審議会(以下、IASB)は、米国会計基準(以下、US GAAP)および国際財務報告基準(以下、IFRS)に基づく財務諸表の表示に対する変更を提案する予定の公開草案の「スタッフ案」を公表しました。当スタッフ案は、2010年4月に行われた両審議会による共同の仮決定を反映しています。両審議会の修正コンバージェンス戦略によって、公開草案の公表は2011年第1四半期まで延期されました。両審議会は、さらに時間をかけて追加的な利害関係者によるアウトリーチ活動を行い、(1)提案の費用便益、および(2)金融機関にとっての財務報告の影響に関する懸念を評価する予定です。当スタッフ案は、両審議会のアウトリーチ活動の目的上、関係者に情報を提供するために公表されました。

主な規定

財務諸表の新様式

このスタッフ案には、基本財務諸表の新様式に関する両審議会の暫定的な決定が含まれ、情報の一体性と分解の両方に焦点が当てられています。両審議会は、この様式の変更により、中核事業と他の活動の財政状態、財政状態の変動、およびキャッシュ・フローを区別しており、これによって財務諸表利用者が会社の業績をより良く理解できることになると考えています。財政状態計算書および包括利益計算書の中の新しい財務諸表の区分案は、以下のようになります。
財政状態計算書の新区分
  • 事業
    • 営業活動
    • 営業活動により生じた財務活動
    • 投資活動
  • 非継続事業
  • 法人所得税
  • 財務活動
    • 負債
    • 資本
  • 資産合計
  • 負債合計

包括利益計算書の新区分
  • 事業
    • 営業活動
    • 営業活動により生じた財務活動
  • 営業利益合計
    • 投資活動
  • 事業総収入
  • 財務活動
  • 法人所得税
  • 継続事業による当期純利益
  • 非継続事業
  • 当期純利益
  • その他の包括利益
  • その他の包括利益合計

情報は、さらに財務諸表上で機能別に、注記で性質別に分解されます。機能別は企業の主要活動(例:物品の販売またはサービスの販売)を示しています。また性質別は経済的特徴または属性を示しており、資産、負債、収益、および費用の項目(例:人件費および原材料費などの費用の性質)を区別しています。

キャッシュ・フロー計算書

両審議会は、キャッシュ・フローは直接法を用いて表示すべきであり、「営業利益」から「営業活動による純現金収入」への調整額(すなわち、間接的調整額)も表示しなければならないという暫定的な結論を示しています。両審議会は、直接法によるキャッシュ・フロー計算書は、間接的調整額と共に、より透明性の高い有益なキャッシュ・フローのデータを提供すると考えています。スタッフ案は、直接法によるキャッシュ・フロー情報は、(1)企業の会計記録から直接的に作成する、あるいは(2)資産・負債残高の増減を構成する活動を識別することにより間接的に作成することが可能であるとしています。これは、財務諸表の表示プロジェクトに関する両審議会の2008年ディスカッション・ペーパーを明確化しています。

セグメント

両審議会は、企業が営業活動によるキャッシュ・フローをセグメントごとに開示することを提案しています。さらに、US GAAPの下でセグメント注記の表示が要求される企業について、FASBは、当該企業は各報告セグメントについてそれらの性質別にセグメント利益および費用を分解しなければならないと提案しています。一方、IASBの提案にはこの要件は含まれず、(報告セグメントごとではなく)企業レベルに分解された情報が要求されるのみです。

ロールフォワード分析

当スタッフ案には、すべての企業(非公開企業を除く)が重要な資産および負債の変動分析について「ロールフォワード」を表示する提案が含まれます。当該表示には、勘定残高の変動をもたらした取引の性質および再測定の分析と説明が含まれます。

コンバージェンスは達成されるか?

両審議会の暫定的結論により、US GAAPおよびIFRSに基づく財務諸表の表示が類似したものになることが期待されますが、FASB案とIASB案の間には3つの重要な相違点があります。第1に、FASB(IASBにはない)は、分解された情報をセグメントごとに表示することを提案しています。第2に、IASB案には、負債および関連する財務残高(負債調整純額)の変動を調整する個別の注記による開示が含まれます。第3に、IASB案は、貸借対照表上に特定の分解した勘定科目を追加することを要求しています。

影響を受ける企業は?

当提案は、基本財務諸表3点の表示および開示を変更するものであり、そのため、US GAAPおよびIFRSに基づく財務諸表のすべての作成者および利用者に影響を与えます。当提案は、(1)非営利団体、および(2)IASBによる中小企業向けIFRSが適用される企業を除き、すべての企業に適用されます。さらにIFRSおよびUS GAAPの下での給付制度も除外されます。

次のステップは?

両審議会は、当スタッフ案についてのコメントを公式には募集していませんが、意見の提出は歓迎されるでしょう。両審議会のアウトリーチ活動は、2010年末まで延長されます。このような取り組みの一環として、両審議会は提案の便益を評価するよう財務諸表利用者に求める予定であり、また当提案の適用にかかる費用を評価するよう財務諸表作成者に求める予定です。さらに両審議会は、追加的なフィールド・テストと調査を実施し、また金融機関と当提案について協議する予定です。両審議会は、2011年第1四半期中に正式な公開草案、2011年末に最終基準を公表する予定です。

※In Brief(PwC US):Straight away(PwC Global)はPwC UK Globalが発行する「Straight away」の日本語訳です。IASBおよびIFRICが公表する最新の草案、基準および解釈指針の要約に加え、PwC Globalの見解が記載されています。

In Brief(PwC US)はPwC USが発行する「In Brief」の日本語訳です。FASBおよびIASBが公表する公開草案、最終化した会計基準に加え、PwC USの見解が記載されています。

In Brief(PwC US)と記載されているもの以外は、Straight away(PwC Global)となります。

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