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FASBとIASBが収益認識の抜本的な変更を提案 ※In Brief(PwC US)

2010年06月25日

最新の動向

6月24日、米国財務会計基準審議会(以下、FASB)と国際会計基準審議会(以下、IASB)は、様々な業種における企業の収益認識方法を抜本的に変更する可能性のある新しい収益認識モデルについて提案した「顧客との契約による収益」という表題の公開草案をそれぞれ公表しました。この提案は、同一の原則に基づく、コンバージェンスされた収益認識基準を作成するための両審議会による共同の取り組みによるもので、業種を問わず、同様の契約に対する収益認識の整合性を高めることを目的としたものです。このモデル案は、企業が契約を締結し、履行した際に生じる資産と負債に焦点を当てた、契約ベースのアプローチです。

主な規定

履行義務
提案モデルでは、顧客に対する企業の義務(履行義務)が充足された時点で収益が認識されます。この提案では、履行義務を、物品および/または役務を顧客に移転するための、履行を強制できる契約に含まれる約束であり、それには直接的、間接的な約束を含む、と定義しています。履行義務は、物品または役務の支配が顧客に移転され、顧客が物品または役務を使用したり便益を受けることが可能となった時点で充足されると考えられます。
ひとつの契約に含まれる履行義務の識別は、当提案モデルの適用では非常に重要であり、重要な判断が求められます。特に、サービス契約および長期契約においては困難となるかもしれません。さらに、困難な点としては、履行義務をいつ統合し、いつ分割するべきかという点があり、これは、収益認識の金額およびタイミングの決定において主要な要素となります。

取引価格
両審議会は、「取引価格」に基づいて収益認識を行うことを提案しています。取引価格とは、顧客が物品または役務との交換において支払う約束をした金額です。取引価格は通常、販売時に固定金額である場合は決定が容易となりますが、不確実性のある決済や、取引価格が貨幣の時間的価値の影響を受ける場合や非貨幣性対価を伴うことで、対価が将来的に変動する可能性がある場合には、決定がより困難となる可能性があります。
現行実務からの抜本的な変更としては、変動対価もしくは偶発的な対価の金額を「合理的に見積もることが可能な場合」、取引価格にはこれらの見積もり金額が含まれることになります。この場合、取引価格は、受領が見込まれる対価の確率加重平均見積を使用して測定されます。取引価格は、受領見込み額の確率加重平均見積額および重要な場合には貨幣の時間的価値の影響のみを認識することにより、顧客の信用リスクも反映しなければなりません。この提案は一般的に、既存のガイダンスよりも多くの見積もりを使用することになります。
この提案モデルでは、取引価格を、相対的な独立した販売価格に基づき、履行義務に配分することを求めています。既存のガイダンスで使用されている、その他の配分方法の使用は認められていません。独立した販売価格の最良の証拠は、企業が物品または役務を別々に販売した場合の価格です。独立した販売価格が入手可能でない場合は、販売価格の見積もりが行われます。
契約開始後、取引価格が変更されない限り、履行義務は再測定されません。例えば、特に変動対価の場合については、取引価格の見積りが変動する可能性があります。ただし、この提案モデルでは、未決済の履行義務を充足するための費用を、継続して見積もることを求めています。直接費用が、履行義務に関連して配分された取引価格を超過する場合には、損失が即時認識されます。

製品保証、返品権、ライセンス
当提案には、製品保証、返品権、ライセンスを含む収益の会計処理で発生する、より一般的な課題についての適用ガイダンスが含まれています。製品保証は、現行のガイダンスとは異なる会計処理となるため、収益認識のタイミングおよび測定の両方に影響を与える可能性があります。この提案には、顧客の返品権モデルも含まれていますが、それは、現行実務と全般的に整合しています。無形資産に係るライセンスの収益認識のタイミングは、ライセンスが独占的であるか、また、ライセンス期間が関連資産の経済的耐用年数全体に及ぶものであるか否かに基づくものとなります。

開示
当提案モデルでは、現在のUS GAAPとIFRSで求められているよりも広範な開示を求めています。この開示では、定性的、定量的情報、および、収益の測定および認識の際の重要な判断と仮定に焦点を当てています。

経過措置
両審議会は、この新しい収益認識モデルを遡及適用することを提案しています。つまり、企業は当モデルを、財務諸表に表示されている全ての期間に存在する全ての契約書に適用しなければなりません(適用年度前に完了した契約にも適用しなければなりません)。

コンバージェンスは達成されるか?

これは、共同プロジェクトです。FASBとIASBは、双方のフレームワークにおいて同様の取引に対して同一の原則の適用を提案することで、この分野のコンバージェンスを達成しました。

影響を受ける企業は?

この提案は、企業がUS GAAPもしくはIFRSを適用しているかに係らず、全ての企業に影響します。過去に、業種別のガイダンスを適用した企業は、より大幅な影響を受けるでしょう。例えば、この新しいモデルは、建設、製薬、航空宇宙、防衛および技術産業を含む多くの産業において広範な影響を与えるでしょう。
この提案は全ての企業に適用されますが、特定のタイプの収益発生取引は、適用範囲から除外されています。当提案から適用除外される契約は、リース契約、保険契約、金融商品契約、保証(製品保証契約を除く)、第三者への販売促進目的の非貨幣性取引です。

適用日は?

当公開草案では特定の適用日を提案していません。PwCは、新モデルの遡及適用案を考慮に入れ、最終基準の適用日は2014年以降になると考えています。

次のステップは?

コメントレターの募集期限は2010年10月22日で、最終基準は2011年半ばに公表される予定です。PwCでは、当提案のより包括的な分析を行ったDataLineを間もなく公表する予定です。当変更案による影響の可能性を考慮して、経営者は、既存の契約および現行実務への新モデルの影響についての評価を開始する必要があります。経営者は、当変更案への自らの見解が反映されるように、公開草案に対するコメントを提出することを検討する必要があります。

※In Brief(PwC US):Straight away(PwC Global)はPwC UK Globalが発行する「Straight away」の日本語訳です。IASBおよびIFRICが公表する最新の草案、基準および解釈指針の要約に加え、PwC Globalの見解が記載されています。

In Brief(PwC US)はPwC USが発行する「In Brief」の日本語訳です。FASBおよびIASBが公表する公開草案、最終化した会計基準に加え、PwC USの見解が記載されています。

In Brief(PwC US)と記載されているもの以外は、Straight away(PwC Global)となります。

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