2009年11月26日
IFRIC第19号「持分金融商品による金融負債の消滅」が公表されました。企業が金融負債の契約条件を再交渉する際に、債務者が債権者に対して自身の持分金融商品を発行することで金融負債を消滅させる場合(「債務の株式化(debt for equity swap)」と呼ばれる)の会計処理が、IFRIC第19号により明確化されました。
IFRIC第19号が公表される前は、持分金融商品を金融負債の帳簿価額で認識し、損益においてなんら利得もしくは損失を計上しない企業がある一方で、発行した持分金融商品を公正価値で認識し、当該公正価値と金融負債の帳簿価額との差額を損益に計上する企業がありました。その結果、この取引には実務上さまざまな会計処理が行われ、昨今の経済環境ではこの問題がよく見られました。
IFRIC第19号では、金融負債が企業自身の持分金融商品の発行により決済される場合、利得もしくは損失を損益で認識することを求めています。損益で認識される利得もしくは損失の金額は、金融負債の帳簿価額と発行された持分金融商品の公正価値の差額となります。持分金融商品の公正価値が信頼性をもって測定できない場合は、既存の金融負債の公正価値を使用して利得もしくは損失を測定します。企業は今後、(損益においてなんら利得もしくは損失を認識せず)既存の金融負債の帳簿価格を資本に再分類することは認められなくなります。利得もしくは損失の金額は包括利益計算書上、または注記で個別に開示しなければなりません。
債務の株式化(全部もしくは部分的な金融負債の決済)の取引を行う全ての企業がIFRIC第19号による影響を受けます。IFRIC第19号は、債権者の会計処理には影響を与えません。また、当初の契約に基づき金融負債を持分金融商品の発行により消滅させる、転換社債のガイダンスを変更するものではありません。IFRIC第19号は、株主との取引や、共通支配下にある企業間におけるほとんどの取引には適用されません。
IFRIC第19号は、2010年7月1日以降に開始する年次会計期間より適用されますが、12月決算企業に対しては2011年の財務諸表より適用となり、早期適用も認められます。当該指針を早期適用した場合は資本内での金額の再分類のみとなるため、表示されている最も早い比較期の期首に遡及して適用する必要があります。「債務の株式化」の取引を行う企業は、当該指針の規定を把握する必要があります。
IFRIC第19号に関して質問がありましたら、PwCの貴社担当者までお問い合わせください。
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